片付けが苦手な方の多くは
すべての場所を一気に
片付けようとする傾向があります
が、ここにそもそもの
落とし穴があるんです
巷の片付け本でも
「一気に!」「すぐに!」「1日で!」
という類のものが多く見られますが
この手の本はおすすめしません
巷に溢れるノウハウ本の誤り
片付けの本に限ったことではありません
ビジネス書然り、英語テキスト然り
書店に入ると目につくのは
すぐに身に付く○○!
たった××で○○ができる!
系の本です
こうした本が出回る背景には
「一気に終わらせたい」
「すぐに身につけたい」
「早く達成感を得たい」
という人々の願望があるのだと思いますが
(私も何だかんだ楽したい人間なので
あまり強いことは言えませんが)
この手の本を読んで成功する方は
実際のところ、少数派だと思います
その本を読んだとしても
その人の習慣にならないからです
ちなみに
「成功者の本棚に成功本は無い」
という有名な話があります
習慣にしなければ身につかない
英会話の習得に関してもそうですが
書店に出回っているその手のもの
あれ、絶対ウソですよ
「1日で身につく~」とか
「1時間で身につく~」とか
その日の内に身につくようなものなら
とっくに日本人全員ペラペラなはずです
知り合いのある方が
ネイティブの英語の講師の方に
質問をした時の話を紹介します
Q.英語が上達するコツは?
A.巷のインチキ本に騙されないことだ
大事なのは「習慣化」
勉強もスポーツも英会話の習得も
習慣にしなければ上達はありえません
1日10時間トレーニングしても
その1日だけのトレーニングでは
身になりません
単発の行為ですから
いってみれば
定期試験前の
一夜漬けみたいなものです
もちろん、その日その時に
集中して何かに取り組むのは
大事なことですが
一生懸命やればやるほど
(普段の習慣から外れた行動なので)
「あ~、やっと終わった!
もうこれからしばらくは
こんなことしたくない!」
と思ってしまい
結果、その行為から
しばらく離れることになります
普段慣れていないことをするのって
すごく大変なことなんです
一夜漬けより分散・継続・習慣化
同じ10時間でも
1日1時間に分散して
それを10日間継続する方が
よっぽど身になります
習慣化できれば
成果を出す可能性も
その後の継続の可能性も
一夜漬けをする人より
ずっとずっと高いはずです
でも習慣化って難しいんだけど
ただ、習慣化が難しいのは理由があって
脳の構造上の問題だということが
すでにわかっています
- 作者: ロバート・マウラー,本田直之,中西真雄美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/07/05
- メディア: 単行本
- 購入: 19人 クリック: 131回
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「三日坊主」という言葉がありますが
これは本人の意思が弱いとか
怠け者だとか
そういうことではなくて
脳の構造によるものなので
いわば人間の本能なんです
脳の困った構造
脳の構造は大きく分けて
3つの層から成り立っています
大脳新皮質(理性と創造をつかさどる)
大脳辺縁系(危険の察知をつかさどる)
大脳基底核(体温の調整をつかさどる)
これら3つの層がそれぞれ
協力して機能するかというと
残念ながらそうではありません
この三つの部分からなる脳構造は 、
つねに円滑に機能するわけではない。
理性的な脳が体重を落としなさいと
指令を出す―なのにポテトチップスを
まるまる一袋、一気に食べてしまう。
あるいは新しいプロジェクトのための
創造的な切り口を考え出そうとする―
けれど、頭は真っ白。こんな具合だ。
(講談社出版 ロバート・マウラー著
『脳が教える!1つの習慣』P48より)
脳の困った機能
脳には困った機能があり
普段とは違う「変化」を脳が感じると
大脳辺縁系がこれを「危険!」と察知し
大脳新皮質の理性的な行動を妨げる
困った機能があります
つまり
新しく何かをはじめようとすると
脳が「変化」を感じて「危険!」
を察知し、本能的に「安全な」
元の習慣に戻ろうとしてしまうのです
「がんばって○○に取り組むぞ!」
「あたらしく××をはじめるぞ!」
と固く決意しても
中々続かない理由がここにあります
脳の困った機能を回避するには
答えは単純です
脳が「変化」を感じないように
1日1分だけ「変化」を起こせば
いいんです
片付けで言えば
1日1分からはじめればいいんです
「1日1分ではとても片付けきれない!」
と思うかもしれません
たしかに1日1分の変化だけでは
散らかった部屋を片付けるのに
相当な日数がかかると思います
しかし、この1日1分の「変化」が
一見遠回りなようで
実は「近道」だったりします
どういうことなのか
この「1日1分」は
習慣化のための準備として行うものです
本当に「1日1分」を1年365日
継続することを推奨しているのではなく
新しい習慣を定着させるために行う
きっかけとしての
最初の「小さな習慣」なんです
- 作者: ロバート・マウラー,本田直之,中西真雄美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/07/05
- メディア: 単行本
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『脳が教える!1つの習慣』の中で
運動を嫌がるジュリーという女性が
「1日1分」の運動からはじめた
健康改善に関するエピソードがあります
たしかに、負荷の低いエクササイズを
たった六十秒やるだけでは
体調にたいした変化は見られなかった
けれども、そのつぎの診察の際
ジュリーの態度に変化が見て取れた。
(中略)
「一日一分で
ほかにどんなことが
できますか?」
今度はジュリーの方から尋ねてきた。
(講談社出版 ロバート・マウラー著
『脳が教える!1つの習慣』P37より)
片付けも「1日1分」から!
片付けも
「今日中に家中すべてを片付ける!」
という強い決意からはじめるよりも
「1日1分」の「小さな習慣」から
少しずつはじめる方が挫折もなく
確実に近道です